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漢文速成 三十三日間講座 開講

ここに『漢文速成 三十三日間講座』といいますのには、底本となるものがありまして、それが三十三日間を以って謳っておるのであり、決して怪しいものではありません。三十三日間真面目に勉強すれば、簡単な漢文(白文)を読めるようになるものです。然らば、その底本は何かといいますと、新楽金橘(にいら・きんきつ)先生の『文法応用 三十三講 漢文速成』というものであります。松下博士晩年の直門である徳田政信博士が昭和の初頭、中学で漢文の手ほどきを受けたのがこの老漢学者新楽金橘先生であったそうであります。新楽先生の講義法と云うのがなかなか面白く、最初の二年間は学生に解釈をさせず、質問しても「読めば分かります」と口癖のように答えていたということです。これだけならばただの素読と何等異なるところが無いようでありますが、新楽先生は旧来の教授法と違い、非常に語法や句法を重視されました。当時の漢文の教科書(たとえば簡野道明先生のものなど)には名詞や動詞という単語はまず出てくることはありませんが、先生の本には品詞と云う項目を立ててそれを詳説しておるのです。無論、文法学という観点から見れば非常に素朴なものではありますが、少年輩に教えるためのものでありますから、高尚なる理論よりも門に入るの易きを貴ぶのは言を俟たざるところでありましょう。兎にも角にも漢文は文法的理解が無くては叶わぬものであり、また解釈は文法的理解を待って後味わいを増すものであります。そこで本講座では漢文を初歩より学びたいと思っておられる方に、出来るだけ簡潔に、而も文法的知識をないがしろにせずに話を進めていきたいと思っております。

本講座を学ぶことでどの程度の読書力が附くかと云うことを明らかにしておきましょう。新楽先生自ら曰く、

本書を学ぶこと十六日目なれば、本書を応用して、大正元年度高等学校入学試験問題を容易に解釈し得ると、又三十三日目なれば、第二十六回文部省教員検定試験問題を容易に解釈し得

ると。すなわち十六日目には以下の如き漢文が読めるようになっておるわけです。

豐太閤磊磊落落氣象頗似石勒而膽略殆過之其代織田氏興雖未免欺孤児寡婦而掃蕩海内以濟二百餘年途端之民其功誰及之者惜乎能救亂而不能成治也





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