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利益があるのか、無いのか、それが肝心(白文訓練)


戦国時代、韓より秦に救援申し込みの使者がやってきたときに秦の惠文王の妾にして昭王の母である宣太后が云うに、

「先王の足が私の体の上にあるときは重くて仕方がありません。しかし、其の体が全部私の上に乗っかっているときには重くないのです。これはどういうことでありましょう」と。




白文

宣太后曰使者來者衆矣、獨尚之言是、召尚子入、宣太后獨謂尚子曰、妾事先王也、先王以其髀加妾之身、妾困不疲也、盡置其身妾之上、而妾弗重也、何也、以其少有利焉、今佐韓、兵不衆、糧不多、則不足以救韓、夫救韓之危、日費千金、獨不可使妾少有利焉 (戰國策楚圍雍氏五月)


「髀(ひ)」はもも。「妾」は女の謙称で代名詞。「弗」は「不」に同じ。修飾形式副詞。「佐」は助けること。



  • 「召尚子入」は前の漢文速成講座でも申したところでありますが、「使尚子入」の意。「尚子を召して入れる」ではなく、「入らしむ」です。「入尚子」としたところが、やはり使動調でありまして、「尚子」は「尚子に『入』という動作を与える」の「与」という臨時に帯びた形式意義に対する客語です。「破趙軍」の「趙軍」が「趙軍に『破』という動作を与える」の「与える」に対する客語であるのに一般です。
  • 「妾困不疲也」の「疲」は意義が反転しております。思惟の再反省です。「不的に疲れる」という思惟をもう一度反省するのです。要するに疲れるのです。
  • 「妾弗重也」の「重」は文法的に申せば動詞性再動詞というもので、「以為重」と考えればよいです。すなわち「重からず」ではなく、「重しとせず」ということです。
  • 「以其少有利焉」の「以」は前置詞性名詞。文を結ぶ力がありますから、相として叙述態。「其の少しく利あるを以ってなり」の意。



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