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文法問題

『標準漢文法』の「客語倒置不能の救済」という章を読んでおって、ちょっと思いつくものがありましたのでそれを今回の課題とします。論語泰伯篇に以下の如き文があります。

危邦不入、亂邦不居

この文はもと「不入危邦、不居亂邦」とある客体概念を提示したもの、すなわち客語が倒置不能であるための救済として提示語にしたものでありますが、「危邦亂邦」とすることができるかどうか、これを考えて見ましょう。


結論から言えば、できるのでありますが、それは一体なぜか。

参考例文:

唯許國之 (春秋左傳隱公)
斯人之徒而誰與 (論語微子)


(注意)『不患人之』などと構造が似ておりますが、これは松下文法に所謂『客体関係の特殊的配置』でありまして、「己」は「知」に対して客語です。上例の太字部は代名詞でなく本名詞であることに注意してください。


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文法問題への挑戦

「不危邦入、不乱邦居」を「不危邦之入、不乱邦之居」の「之」の省略とみれば、文法的に成立するのではないでしょうか。

文法問題への挑戦2

不唯許國之為 (春秋左傳隱公)
吾非斯人之徒與而誰與 (論語微子)
前者は「為許国(許国に(通俗読み=の)為にす」の「許国」を前に移したもの。そのサインとして「之」が挿入されています。
後者は、本来は「斯人之徒之與(斯の人の徒と之れ與にす」とすべきところを「之」の重複を嫌って「之」を省略したものではないでしょうか。つまり、前置詞(性動詞)の客体概念の提示です。

No title

問題は副詞の否定語を飛び越えて提示される場合とそうでない場合との違いです。「非斯人之徒與」の「斯人之徒」はなぜ「非」を飛び越えて「斯人之徒非與之」とはならぬのか。「不入危邦」の「危邦」を提示すれば「危邦不入」となるのが自然でありますが、「不危邦入」としたならばどうでしょう。そもそもこの場合「危邦」が提示されておるといえるでしょうか。我々の目にまず入るのは「危邦」ではなく「不」であります。「非斯人之徒與」に就きましても同様です。
参照:http://kanbunpo.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
http://kanbunpo.blog.fc2.com/blog-entry-6.html(「西方全盛之國、莫美若、東方新興之國、莫日本若 (變法通議)」の項参照)
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